遠くない未来。

当然のように人々の格差は大きくなっていた。

 

―スラムのその奥の、さらにその地下にひっそりと暮らす人々―

 

善人でも悪人でもない。

上の世界に取り残され、生への力を失った彼らにとって

‘’明日を夢見ないこと‘’

それだけがその場所にある全てだった。

 

今はまだ誰にも知られていないとあるマンホールの下にある小さな世界。

 

その血肉を吸い尽くそうとする者たち、

そこから救い出そうとする者たち、

どちらもその場所を探していた。

 

初めまして、今日からここで暮らすことになりました。

全員潰すよ、俺たちが笑って過ごすために。

許せないんです、人を貶める人間が。

立場が変われば、正しさも変わる。

 

「ねぇ、私たちなんでこんなところにいるんだっけ？」

「それはだって、死ぬまで生きなきゃいけないから」

 

この物語に救いはあるのか。

あなたの正義は、誰かを不幸にする。